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桃色無限ループ(著:庵乃音人、イースト・プレス悦文庫)

2015/11/8 発売

桃色無限ループ

著:庵乃音人イースト・プレス悦文庫


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27歳の豊は、冴えないサラリーマン。営業成績は一向に上がらず、同期の吉川とはどんどん差が広がるばかりだった。そんな時、後輩である静江に密かな想いを抱く。隣室に暮らす美しい未亡人、小夜子に邪な気持ちを抱くことはあっても、静江に認めてもらいたい一心で仕事に打ち込んでいた。そんな時、ひょんなことから吉川と静江が交際していることを知ってしまい、やけになった豊は同窓会で酩酊。気付いた時にはかつてクラスのマドンナだった人妻、美紀と二人きりでバーにいて……。


★★★★★ ループは抽象的な意味にあらず, 2015/11/19
タイトルの「ループ」はどういった意味合いなのか?と思いながら読み始めた……そのままの意味だった。角川文庫でゴースト系ファンタジーを、竹書房ラブロマン文庫ではパラレルワールドを題材にした作者が今回もまたファンタジーな要素を大胆に盛り込んだ作品だった。主人公が時間旅行を繰り返す3年間は、自らの人生を顧みながら、自らの人生を決める重要な期間である。

パッとしない主人公が密かに想いを寄せるのは職場の後輩OL。しかし、想いを伝える間もなく、それ以前に想いを伝える度胸もないまま他の男に言い寄られるピンチが訪れる。ここが時間旅行の起点となる。その原因も理由も分からぬまま未来へ飛ばされる訳だが、それらを考察するのはSF小説に譲るかの潔さで話は進む。3年後に訪れるのは、要するに「そのままだったら」という未来の姿であり、これが3度繰り返される。ただし、戻った時に同じ轍を踏まぬよう努める主人公にはその後も新たな選択肢が訪れることで3度とも異なる未来を迎えている。ここに展開の面白さがあるのだが、思いもしない小さな事柄が後の人生を大きく変えることもあるという含蓄が込められているようで興味深い。また、どの未来も選択を自覚することなしに、ある意味では流されるままに選んでいる、選ばされている点も見逃せないポイントと言える。ここまでの主人公は基本的に受け身である。

だがしかし、3度目ともなると多少の予兆らしきものは感じるようで、それによって急に未来のことを喋り出す人になったり、無軌道故の堕落した生活に陥ったりもしている。まるでゲームのバッドエンドからのリプレイを強制的に続けさせられているからでもあるが、自らの強い意志が伴っていないからとの見方もできる。運命はやって来るものではなく自ら掴み取るものといったメッセージとも汲み取れるが、最後は心優しきサブヒロイン達の計らいがそれを自覚させる。庵乃作品ではお馴染みの展開ではあるが、メインと心結ばれるためにサブヒロイン達(本作ではかつての同級生な人妻に隣の未亡人とその娘が登場する)が礎となってくれるのである。

だからと言ってメインの後輩OLとすんなり結ばれることはなく、ここからは庵乃メロドラマ路線の真骨頂とも称したいすれ違いで読み手をやきもきさせるのだが、最後はもぅ反則でしょ!と言いたくなるほど純真かつ真っ正直なOLの健気さと一途さが都合の良い展開とも感じる部分を消し去る素敵なラヴストーリーで締め括られるのである。

今回もまた「がに股」や「剛毛」に「大きな乳輪」といったキーワードが出てくる官能面はやや控えめながら全体としては悪くない。何より前半は寝取られ風味な描写もあって興奮も高まる。ただ、内心とは裏腹に強引な迫りを見せる中盤は最近の庵乃作品によく見られる官能描写ではあるものの、本作においては今少しマイルドな方が向いていたかな?という気もした。もっとも、その直後には本作で最も淫靡な母娘丼が用意されてはいるのだが。
『桃色無限ループ』のレビュー掲載元


こういった類いのファンタジーをいろいろと思いつかれては官能小説にできるものだなぁ~と思いましたが、よくよく考えてみればゲームのシナリオなどもされている庵乃先生ならではの世界観なのでしょうね。

そして、それを編集側に通せる実績もある。あるいは、編集側からのリクエストもあったりする。

そんな形で原案ができていくのかな~などと思ってしまう、庵乃ワールド炸裂の作品でした。



庵乃先生ご自身のブログにある本作の投稿記事はコチラから。
庵乃音人うずまき日記 - イースト・プレス悦文庫より『桃色無限ループ』発売!





もしかしたら限りなく官能小説なジュブナイルポルノといったアプローチなのかもしれませんが、それもまた美少女文庫や二次元ドリーム文庫といったレーベルから作品を出されていたからこそ可能な訳でして、でなければ思いついても自分から躊躇してしまう可能性高いと思うんですよ。

その意味では官能専門レーベルではないから柔軟にイケる部分もあるかもしれませんね。

そのおかげで我々も稀有な官能小説を堪能できる機会に恵まれると。(^^)アリガトウゴザイマース!



◆新作情報
2015/11/28 発売

みだら催眠術(著:庵乃音人


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『徹くん、もう分かったろう? 俺、最強の催眠術ソフトを開発しちゃったんだ――』
義兄が開発した、瞬く間に人を操り、しかも記憶を残さない特殊な催眠ソフト。それを預かった加納徹は、妻とその三人の姉妹の淫らな本性を引き出し、淫獄へ誘う。職場のド真ん中で公開子作り!学生の前で実演セックス指導!銭湯の男湯を未亡人との淫らな混浴風呂に!そして清純派アイドルの媚肉を味わう特殊すぎるファンの集い…。周囲も巻き込んで欲情を開放し尽くす、万能ハーレムエロス!



今月(2015年11月)はもう1作品ありまして、ここでも「催眠」を用いたチャレンジングな取り組みをされているようであります。

衆人環視の描写も多分に出てきそうですから、どんな挑戦になっているのか、楽しみですネ!(^^)



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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

tag : イースト・プレス悦文庫 庵乃音人

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卒業を思い出す

DSK さま

庵乃先生お得意の官能シーンもさることながら、それを補ってあまりある物語の構成力に脱帽でした。

ファンタジーのように時流がグルグルするので、官能的にいいものに仕上がるのかと読み始めは思いましたが、読後感はとてもさわやかでした。
特に、ラストの展開は、まるでダスティン・ホフマンの「卒業」を彷彿とさせるようでした。
(反則ワザのラブストーリーの元祖のような気がして。たとえが古い人間ですいません)

時流をいじる物語にありがちなのは、後半になればなるほど慣れてくるのでマンネリな印象を受けるパターンですが、それもなくまさに、ラストシーンへ一直線の展開で、庵乃流官能の世界も織り込まれていたので良かったと思います。

官能小説版「バックトゥザフューチャー」?

DSKです。
コメントありがとうございます。

>特に、ラストの展開は、まるでダスティン・ホフマンの「卒業」を彷彿とさせるようでした。
>(反則ワザのラブストーリーの元祖のような気がして。たとえが古い人間ですいません)

いえいえ。(^^)
『卒業』では主人公が花嫁を奪いに来ましたけどコチラでは花嫁自身が行動するところにイマドキらしい気がしましたね。思えば最近のアニメも美少女キャラばかり。バトルする作品でも一昔前だったら絶対男子が活躍する場面で今は戦乙女よろしく美少女がカッコ良くキメています。戦隊モノで言えばアカレンジャー1人に残りが全員モモレンジャーみたいな、もしくは5人ともモモレンジャーみたいな構成です。ただ、待っているだけの女性ではないんですよねぇ。

本作は未来行き限定の『バックトゥザフューチャー』のように感じました。(^^)

言い得て妙

DSK さま

官能小説版『バックトゥザフューチャー』とは・・・。
言い得て妙ですね。

ドラえもんのようにタイムマシーンのようなものに乗って未来や現在を行き来するという表現ではなく、主人公のピンチの後に気がついたらそこは・・・、という物語の展開は『バックトゥザフューチャー』ですね。

>思えば最近のアニメも美少女キャラばかり
そうなんですね。アニメの世界から遠ざかってずいぶん経ちますがそんなことになっていたのですね。
男性がヒーローという物語はすでにたくさん描かれていて、ネタ切れの感はあります。女性や少女にすることで新たな展開も生まれるという時代の流れなのでしょうか。

現実の世界では、たとえ真面目に生きたとしても損しているような場面はよくありますし、ルールを守ったりするのもバカらしくなってしまいます。
この作品では、主人公はいろいろトラブルに巻き込まれますが、真面目に生きていると最後にはいいことがあるという『希望』があります。
それが読後感をスッキリさせる要因の一つかもしれません。

『卒業』あっての『BTTF』

DSKです。
コメントありがとうございます。

>官能小説版『バックトゥザフューチャー』とは・・・。
>言い得て妙ですね。

いえいえ、『卒業』あっての思いつきであります。(^^)

>女性や少女にすることで新たな展開も生まれるという時代の流れなのでしょうか

まぁ、言ってしまえば、とりわけ深夜アニメだとメインの視聴者がいわゆる「大きなお友達」ですし(^^;)、その大半は男ですから(笑)自ずと女性キャラの受けが良くて、しかも萌えキャラ化していく部分が大きいのだと推測します。その意味では確かに時代の流れなのかもしれませんけどねw

要するに、アニメが文化として根付いたことで、以前のように「大人になったら卒業」するものではなくなったことが一番大きいと思います。かつての宮崎駿監督作品や最近の細田守監督作品といったメジャーなのは老若男女が抵抗なく映画館へ観に行きますし、深夜に放送されるサブカル的なアニメにはサブカル好きな視聴者がテレビの前に集う、それが日常的になっているんだと思います。

で、無頓着な人や勇気のある人(笑)ならばイイ年しててもアニメ好きを公言しますしww

>ラストシーンへ一直線の展開で、庵乃流官能の世界も織り込まれていた

様々な要素が盛り込まれていても最後はコレで読後感はしっかりハッピーですから、ある意味では反則的に強力な武器でもありますよね。(^^)
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