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継母〈ままはは〉(著:黒沢美貴、幻冬舎アウトロー文庫)

2003/12/2 発売

継母〈ままはは〉

著:黒沢美貴幻冬舎アウトロー文庫


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予備校生の直人はある日突然、父親に美夜を紹介された。真っ赤な口紅、胸元から覗く谷間、露わになった太股―家中に撤き散らされる継母のフェロモンに直人は息が詰まりそうだった。「こんなエロい身体の女を母親だなんて思えるわけないじゃないか」父親の帰りが遅い夜、直人は身を捩って嫌がる美夜の下着の中へと強引に指を滑り込ませた―。


★★★★★ 母になろうとした継母と主人公の成長と家族の在り方, 2015/10/18
サブタイトルもなく、何の説明も無い、しかし敢えて「継母」とのみ記すシンプルなタイトルは作者の自負か編集側の自信の表れか。だとしたら、それは大正解だったと言える素晴らしい作品である。義理の母(義母・継母)をヒロインとする数多の官能小説において最高峰の1つと断言したい。つまり名作。

エリートコースを歩みながら大学受験に失敗した挫折から負の心情が鬱積する主人公。青春を謳歌した高校時代を一緒に過ごしながら現役で有名大学に進学した彼女とは意識のズレも感じ始めており、同じく有名大学から一流企業へ入社した成功体験を押し付けてくる父親も目障り。そんな家庭で32歳の若き継母【美夜】だけは優しい気配りで接してくれるのだが、始めて会った時から女としてもついつい見てしまう。こうした複雑で微妙な主人公の立ち位置と心持ちがしっかり描かれている。

派手な容姿でグラマラスな色気も放つ美夜だが、エリート意識に対するアンチテーゼの役割を担いつつ母として、義理の母というより死別した実母から受け継いだ母として一生懸命に果たそうとする姿が見えてくる。だからこそ作中の言葉を借りれば主人公の積年と万感の告白を耳にして涙ながらに「母として絶望し、女として高揚する」のである。夫に愛人の影がちらついて(ご無沙汰で)体も疼く母というオンナは他でも見られるが、それでも家庭を守り、何より息子を支えたい「母」がきちんと描かれることで滲み出る哀切は一線を画す。

赤子が甘えるように、救いを求めるように男の感情が膨れ上がった主人公に半ば押し切られる形で官能面も一気に高まる愛欲の蜜月が後半から始まるのだが、女の顔を出して受け入れてもなお慈悲深い母であろうとする美夜は相応の覚悟も決めていたようで、それは世間体と言えばそれまでなのかもしれないが、母に成り切れなかったと悔やむ心が見せた最後の決断は成長した息子を送り出す精一杯の姿だったのであろう。一読では哀しく見えながらも「立派なお母さんでしたよ」「主人公も頑張ったね」と声を掛けてあげたくなるような、そんな晴れがましさも同居した2人の門出だったようにも思う。

世の偏見をチクリと風刺しながら挫折や父子の確執を織り交ぜたドラマとして主人公の成長をも描きつつ、円満にはならなかったものの主人公を中心とした川の字のごとき新しい家族の姿を母子相姦の憂いと密度も失わない官能小説として見事に描き切った作者の手腕には感服するのみ。

確かに『継母』の他に説明するのは野暮。
それでいて『継母』が最も相応しいタイトルだった。
『継母〈ままはは〉』のレビュー掲載元


もしもDSKが何らかの形で「義母・継母 特集」なるものを企画することがあったら、そして、この作品を知ることなく企画してしまうようだったら……危うく致命的な欠陥をもたらすところでした。

この作品を逃してはならないっ!

それくらいの作品です。m(_ _;)m



実の母以上に母であろうと努めた継母。
実の母の遺志を受け継ごうと努めた継母。
最後の最後まで母であろうと努めた継母。

旺盛な性欲を持て余す女でもある継母。
旺盛な性欲を受け止め切れない夫に失望気味の継母。
息子の視線に男を感じてもいた継母。

息子という男と一線を越える覚悟を決めた継母。
それでも家庭を最優先しようと努めた継母。
家庭が崩壊しても家族の絆を残そうと努めた継母。



母にして女、女にして母……官能小説としての「継母」が全て詰まった1冊でした。



◆テイストの似た作品
2015/4/17 発売

熟蜜-義姉のしずく(著:川奈まり子、竹書房文庫)


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◎憧れの義姉さんをボクのものにしたい…!
◎伝説の美熟女優・川奈まり子が描く禁断官能ワールド
二十五歳の神田拓海は義姉・彩の艶めかしい喪服姿を見つめずにはいられなかった。長兄の直樹の婚約者として出会って以来、ずっと憧れ続けていた義姉は、兄が交通事故で突然亡くなり、三十路で未亡人となってしまった。四十九日の法要でも、いまだに憔悴しきった彩を見て心配する拓海だったが、その一方で彼女に対する禁断の想いは高まるばかりだった。そんな時、彩が次兄の竜也に襲われ、抗いながらも快美に悶える姿を目撃してしまった拓海は…!未亡人の義姉に対する狂おしい情欲を描く禁断の美熟エロス!


ブログの投稿記事
熟蜜-義姉のしずく(著:川奈まり子、竹書房文庫)
http://dsk18.blog.fc2.com/blog-entry-918.html



こちらの作品では夫を喪ったばかりの未亡人兄嫁をヒロインとしている違いはありますが、結末も含めて何かと似通ったテイストを感じさせます。女流作家ならではの視点なのでしょうか。



◆現状の最新作
2012/4/6 発売

グラマラス・ムーン(著:黒沢美貴、徳間文庫)


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相田美月。二十七歳。会社では地味で目立たないOL。別れさせ屋のときは艶やかな悪女。二つの顔を持つ女。着やせするタイプだが脱ぐとグラマラスボディ。まさに酒池肉林という言葉に相応しい愛欲生活にも飛び込む強いメンタルの持ち主である一方、癒し系である。そんな美月に依頼が舞い込み、男と女を別れさせ、難題解決!

当ブログの投稿記事
グラマラス・ムーン(2012年4月、徳間文庫)
http://dsk18.blog.fc2.com/blog-entry-99.html



2012年4月以来、新刊が途絶えてしまって残念至極なのですが、すっかり筆を置かれてしまったのでしょうか。それとも別名義で活躍されているのでしょうか……。





※各作品のあらすじはAmazonより引用。
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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

tag : 幻冬舎アウトロー文庫 黒沢美貴

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