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むつごと秘宝館(著:小玉二三、竹書房ラブロマン文庫)

2014/6/11 発売
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気のいいサラリーマンの礼太郎は、色気に満ちた未亡人の奈美をセクハラから救ったのをきっかけに、彼女の住む島に招待される。島は老人ばかりの寂れた観光地だったが、奈美の熟れた肉体を味わい、ついつい帰る日を延ばしてしまう礼太郎。そんな彼の暮らしは、廃棄された秘宝館を復活させようとする美女の沙織と出会い、秘宝館の修理を始めた時から、大きく変化する。可憐な沙織、妖しい奈美、ワイルドな魅力を放つ海女の芽衣子、彼女の娘のマリン。彼女たちとのまぐわいは、彼に何をもたらすのか。さびれた観光地の島で身を寄せ合うように生きる人々の、淫靡で優しい性を描いた現代の竜宮伝説!(引用元:Amazon)


★★★★☆ 寂れた島の秘密に絡めた裏事情的実情, 2015/3/1
秘宝館とはまた何とも下世話な施設が登場するものだと思ったが、本作の秘宝館は独特のオリジナルであり、この世に1つの大切なモノであり、物語に需要な装置である。寂れた島や、そこに暮らす昔ながらの人々に過疎化というリアルな問題を塗しつつ、やっていることは実に開放的で快楽的というところに官能的な妙味を加えた作品と言える。

老齢の要介護者にイタズラされている(というか襲われている)ヘルパーさんが飛び出す冒頭こそ良い掴みなのだが、その後に続く第一章は少々奇をてらい過ぎた感もある。島に潜む、あるいは島の長が隠し持つ異常性愛というか性癖のようなものを示す意図はあるのだろうが、話が進むに連れて割と善い人達であることが判ってくるので、オープニングとしてはやや浮いている気もする。やたらと老人が出てくることもあって「何だかなぁ」という気分にもなるし、いやらしくはあるのだが中途半端で嫌悪が勝る寝取られのようでもある。ただし、話が進み出すのは第ニ章からである。

小玉作品では時折見られるのだが、主人公と恋仲になるヒロインはいるものの完全にメインとも言い切れず、つまりはサブヒロインのキャラ立ちの良さもあって誰々がメインというよりも島の女達がそれぞれに存在感を持っている中で話が進んでいく。島の中ならではの悩みもあれば、一度離れてから島へ戻ってきた人が新たな未来を描いて再び出て行こうとする動きがある。そんな女性達と心と体を通わせながら、島を、島の人々を思い、当初の目的を違えて島に根を生やそうとする主人公だが、勝手な思い込みから勘違い的に女へ手を出す場面が幾度かあるのを見ると、そんな風に男は見られているのかな?といった一抹の寂しさを感じたりもする。

しかし、焦らしを加えた官能描写は総じて淫猥度が高く、もうたまらないとばかりにおねだりを始める女性の淫らな一面をしっかり表現しているのは女流作家の面目躍如たるところか。とりわけ最初はメインかと思ったら中盤以降はねちっこさ満点な熟年恋愛が花開くヒロインの、官能スイッチが入ってからのじわじわ訪れる淫らギャップが官能面でかなり貢献していた。開発されたオンナの貪婪な振る舞いには(開発したオトコの存在とともに)若さでは太刀打ちできない愛と肉欲の交錯があったように思う。

しかし、秘宝館といい、中盤で出てくるオンナを封印していた海女さん熟女(シングルマザー)による、まるで『北斎漫画』のような慰め方といい、こぅ、何とも言えない大衆エロス的なネタを用いながら、そうしたややお下劣とも言える要素が序盤の老人達の再登場とともに終盤でも形を変えて繰り広げられながら、それでいて秘宝館の生い立ちにも絡めて幻影ではなく生身の自分を見てほしい、愛してほしいという純愛にも似た結末へと纏めていくところは巧みであり、読み進めるに連れて印象が良くなっていく不思議な物語でもあった。
『むつごと秘宝館』のレビュー掲載元


女流作家さんは女性の心理が分かりますから男性作家さんとはまた一味違った展開や描写があって、それが読む時の楽しみでもあるのですが、この男女間の差が時にドキドキ感の増幅に関与することがありまして……。

つまり、女性の側だと「これくらい大丈夫」と思っている振る舞いが男からすると「おいおい頼むよ不安だよ」と感じる、そんな描写が散見されることが多々あるのです。

そんな、男の目線では不安が煽られる描写を(意識的か無意識なのかは分かりませんが)割とぶっこんでくるのが小玉作品だと思っています。



「箱入り娘」という言葉があるように、男の独占欲というのはとにかく「自分だけ」でして、極論すれば、それはもぅ箱に入れて仕舞っておきたいくらい、できれば過度に人目にも触れさせたくないと考えがちです。

……ここで言う人目とは、もちろん他の男の目という意味です。物理的なんですよね。

比べて女性というのは精神的に「自分だけ」なのが判明していれば意外におおらかというか寛容的な面もありまして、むしろ他の女にちやほやされている彼氏(や夫)を誇らしく思ったりするところもあると推測します。



ついでに言いますと、襟の開いた服で胸元が露わになるのを女性は「先っぽが見えなきゃいい」と思っているようですが、男は乳房を含めた全体をおっぱいと思ってますから(笑)、だから、女性からすれば何でもないとお考えの胸の谷間が見えただけで男は狂喜乱舞な訳で(^^;)、もっと言えば、アブない男はそれだけでヘンなスイッチが入ってしまいますから、女性からしたら些細なことと思っているのはキケンな時もあり、思わぬことが性犯罪のきっかけにもなりかねないのでご注意くださいネ。



さて、品の良さとお下劣が同居するのも小玉作品らしいところでして、秘宝館を題材にしながら、そこに込められた想いはピュアという絶妙の世界観を本作で楽しめると思います。

オクトパシーなプレイも含めてね!(笑)



【新作情報】
◆妻ふたり(光文社文庫)
2015/3/12 発売
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女流官能作家が、人妻、未亡人、OLたちの肉体の深奥を描く官能短編集。書籍未収録作品だけを集めた傑作選!(引用元:honto)



ここ最近は作品が続く小玉先生です。(^^)





小玉二三 竹書房ラブロマン文庫
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テーマ : 18禁・官能小説
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tag : 竹書房ラブロマン文庫 小玉二三

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