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ほっこり若後家さん(著:葉月奏太、双葉文庫)

2015/1/15 発売

ほっこり若後家さん

著:葉月奏太双葉文庫


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写真専門学校に通う奥野弘志はヌード撮影実習で興奮のあまり失神してしまう。失意のなか、商店街を悄然と歩く弘志の目に見慣れぬ総菜屋が飛び込んでくる。「いらっしゃいませ」。優しい声で呼びかけるエプロン姿の麗しい女性は、実家の写真館に長らく飾られていた憧れの振り袖美女・麻奈美だった。週刊実話で大人気を博した連載、ついに単行本化。(引用元:Amazon)


★★★★☆ やっぱり報われない幼馴染みの切なさ, 2015/2/15
昨年(2014年)、「週刊実話」に連載された『欲望の写真館』を大幅に加筆・修正して文庫化された作品とのこと。タイトル通りに33歳の若後家さん(未亡人)と結ばれて「ほっこり」する作品ではあるが、20歳の主人公とは幼馴染みな21歳のサブヒロインが最後まで健気に頑張りながらも、やっぱり報われない幼馴染みキャラになってしまう切なさの方が場合によってはクローズアップされる作品とも言える。本作の事実上のヒロインは幼馴染みである。

初めては、おじさまがいい』(廣済堂文庫)にも通ずる下町商店街の人情味が今回も味のある舞台となっており、写真の専門学校に通いながら若くして写真館を継ぐことにもなった主人公の風情も良い。昼は学業に勤しみ、日暮れとともにひっそり開店して来客を待つところなどは映画やドラマのワンシーンのよう。カメラや撮影に関する知識なども程良く盛り込まれていて、とにかく良い雰囲気。

そんな中で序盤と終盤には写真館を訪れる女性客との束の間の情交などもあったりする。昔ながらの写真館を続けていく不安を慰めてもらいつつ叱咤激励でもあったかの序盤と、仕事と恋の覚悟を決めるための契機にもなったような終盤。行きずりのような何でもない官能場面に時の流れも加味して主人公の変化を感じさせるのはさすがの描写だった。

それらを中盤で埋めるのは幼馴染みの【亜弥】である。主人公と同様に理髪店を継いでいる亜弥とは何でも言い合える仲なのだが、それ故に主人公は鈍感にも亜弥の心は読めていない流れ。そのもどかしさを示す亜弥の態度は可愛くもあり、仕事を全うしようとする強さもあってかサブヒロインには惜しいほどの魅力を放っている。逆に主人公の心などはお見通しなために自分の想いが伝わらないことも察しており、それでも、挑発してでも主人公を振り向かせようと最後の最後まで健気に努めたところにはモーレツな切なさを感じてしまった。理髪店を早々に施錠し、カーテンを閉め、座ったままの主人公に後ろから跨る大胆さも見せる亜弥がメインのスピンオフをいずれは……と望んでしまうところである。

いわゆる出戻りの憂いを湛えた若後家の【真奈美】は、写真を通じて主人公とは幼少期から縁があり、淑やかな雰囲気を醸す憧れの人。母性的な慈愛含みの好意は主人公の心を惑わすのだが、その憧れと、ようやく知り得た亜弥の気持ちとが交錯してウジウジするばかりの主人公が想いを固める最後の後押しとなったのは意外な他力本願だった。このファンタジーな演出には面白みがあったものの、自分で決断しなよとも言いたくなるのは逆に若気のリアリティと言うべきところか。質素な部屋で双方の想いが溢れてぶつかり合う情交シーンは、亜弥の想いも受け止めた2人の新たな旅立ちでもある。

そうした1人の男として、仕事の面でも覚悟を決めた主人公と真奈美の行く末がしっかり描かれた結末ではあったが、幼馴染みの全開パワーには押され気味で割りを喰った感は拭えず、これだけが少し残念である。
『ほっこり若後家さん』のレビュー掲載元


久し振りにがっつり不憫な幼馴染みを見てしまったですねぇ~。(^^;)

良い娘なのに……最後の最後まで頑張ったのに……報われない……幼馴染みの宿命なのでしょうか。

いやぁ~、切ないわ~。



本作で気になったのは、主人公にお口奉仕を始める若後家の真奈美さんがさすがに唐突だったかな?と感じたところと、レビューにも記したように、にっちもさっちもいかなくなった主人公の最後の決断が「お告げ」だったことですかねw

いや、商店街の名物お婆ちゃんとしてイイ味のある存在感でしたし、主人公もまだ若いですから決めかねるというのも解りますが、それでも男なら「お相手」くらい自分で、自分の意志で決めなさい!と親父ゴコロがちょっぴり働いてしまいました。(^^;)

……お婆ちゃんの「お告げ」は、それこそ老婆心だったのかもしれませんがw



全体の雰囲気とか、商店街の風情とか、何より写真館の佇まいが良くて、作品としても良かったですよ。

葉月作品の幅広さと奥深さは際限がないですねぇ。(^^)



葉月先生ご自身のブログに投稿された自著解説です。
『ほっこり若後家さん』(双葉文庫)が発売になります。ほっこり若後家さん (双葉文庫)(2015/01/15)葉月 奏太商品詳細を見る【内容紹介】「写真専門学校に通う奥野弘志はヌード撮影実習で興奮のあまり失神してしまう。失意のなか、商店街を悄然と歩く弘志の目に見慣れぬ総菜屋が飛び込んでくる。「いらっしゃいませ」。優しい声で呼びかけるエプロン姿の麗しい女性は、実家の写真館に長らく飾られていた憧れの振り袖美女・麻奈美だ...
『ほっこり若後家さん』





そして、「月間葉月化」がじわじわ進行している葉月作品を追尾するのも大変になってきましたが(^^;)、今月も新作が出ます。

【新作情報】
◆二人の叔母(二見文庫) 2015/3/26 発売
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書き下ろし。久しぶりに故郷に戻った男を待つ、性格の違う二人の叔母──。



書影はまだですが、いろいろなレーベルを攻略してきた葉月先生が今回は二見文庫もゲットした、そんな感じでしょうかw

二人の叔母が俄然気になります。(^^)





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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

tag : 双葉文庫 葉月奏太

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ほっこりっていうタイトルなのに

DSKさま

葉月作品はヒロインとの官能場面を最後に持ってくるのが特徴のようですが、そこがたっぷりと描かれる場合と「えっ、それだけ」という場合とがあるように感じます。
この作品の場合、「えっ、それだけ」という感じがして、官能成分が足りない印象を受けました。

健気な幼馴染みがヒロインとすれば、官能成分としては満足しますが、でも、ヒロインが振られるって・・・。黒本でも弓月作品などに見られるので、ないこともないのですが、切ないというか、言葉にしがたい悲しみが読後感に残ります。

『ほっこり』と『若後家』いう組み合わせから期待している感じとは異質な内容のような気がしました。


タイトルも重要

DSKです。
コメントありがとうございます。

>『ほっこり』と『若後家』いう組み合わせから期待している感じとは異質な内容のような気がしました。

先の『ももいろ女教師』と同様に、つまりはコレに尽きるのかもしれませんね。

作品を購入する場合の最初の情報は「タイトル」と「あらすじ」で、その次に表紙カバーが続く(ただし、買わない理由にはならない)と思いますから、やはりタイトルで得られたイメージと内容とにズレを感じると、それが読後感にも繋がることがありそうですね。

良い内容だったけどな~、みたいな印象で終わる作品には案外こんなところにも理由の1つが隠れているような気がしてきました。
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