熟れごろ女系家族(著:早瀬真人、イースト・プレス悦文庫)

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いけないお犬ちゃんね。そんなに舐めたいの?体力だけが自慢の営業マン、矢口賢次は猛アタックの末、可憐な短大生、里村真美といい仲になった。だが彼女は旧家の箱入り娘。まずは二人の婚約を認めてもらうべく、里村家を訪れたのだが…。そこには未亡人でまだ38歳の母親、奈緒子、その妹でバツイチの八重子33歳、一番下の妹で人妻の結美子28歳、といういずれも気の強い美貌の熟女たちが待ち構えていて…。賢次は策略を張り巡らし、行く手を阻む妖美な完熟三姉妹を一人ずつ堕としていく……。(引用元:Amazon)
★★★★★ 良好なストーリー展開に冴える官能, 2014/11/24
これまで構成や展開は秀逸なのに官能描写が淡白といった印象もあった早瀬作品のイメージが変わりそうな作品と申し上げる。熟女三昧の素敵な存在感の前には主人公の彼女も霞んでしまうが、この彼女には意外な秘密が露呈するエピローグのオチで役割がある。そんな彼女を射止めた主人公(24歳)があの手この手で、そして自慢のムスコで彼女の母とその妹達を次々に籠絡することで婚約を認めてもらえるのか?という官能奮闘記である。
と言っても、当初の主人公にムスコ自慢の自覚はない。むしろ限りなくチェリーに近い経験の乏しさであり、それを事前に補う「レクチャー」が用意されているのだが、そんな周到な準備も踏まえた全体の黒幕(?)として暗躍する人物がいるところに展開の妙がある。その人物には別の思惑があり、自分では果たせない念願を主人公に託しているのである。
真美:主人公の彼女。純真で初心な18歳といった印象だが……。
奈緒子:近寄り難いほどの圧倒的な存在感で一族を統べる女帝にして真美の母は38歳の未亡人。
八重子:奈緒子の妹。離婚歴のある出戻り淑女な33歳。
優美子:3姉妹の末妹は勝気で高飛車な28歳の人妻。
明美:駅前商店街にあるスナックのママだが元は銀座の一流ホステスという四十路越えの艶女。主人公の官能指南役。
セレブ臭を漂わせて主人公を見下し、真美との婚約を断固反対する未亡人、バツイチ、人妻の3人を己の性技で翻意させなくてはならないのだから、そのハードルは極めて高い。故にその行方が気になるところであり、そんな期待に応えるストーリーが紡がれている。
明美に仕込まれてパワーUPした主人公が最初に標的とするのは次妹の八重子。一番お淑やかに見えて実は最も欲求不満を抱えているというギャップが良い。次の優美子では設定の冴えた寝取られ描写が秀逸。そして、ラスボスたる奈緒子の籠絡にはかなり手こずるところに小説としての面白さがあり、その居丈高な振る舞いに隠された可愛らしい一面という猛烈なギャップも与えて主人公の責めに屈しながらも最後には熟女らしい貪欲な逆襲で面目を保つところはさすがの構成と言わねばならない。
八重子には離婚当時に2歳だった(今は7歳になる)娘がいることになっているが、この設定が活かされることは最後までなかったので居なくても良かったし、居るなら居るで、例えば娘が寝ている隣(あるいは隣の部屋)で主人公と交わるといった背徳感の底上げに用いることもできたと思うが、重箱の隅突きレベルで気になったのはこれくらいか。全体としてはタイプの異なる熟女が最初は抗いながらも昂り喘ぎ堕ちていく艶のある官能描写で描き分けられており、その質・量ともに申し分なかった作品だと思う。
◆『熟れごろ女系家族』のレビュー掲載元
レーベルの正式名が「悦文庫」なのか『イースト・プレス悦文庫』なのかイマイチ分かり兼ねるのですが(^^;)、とりあえず長い方にしておきますw
ということで、今のところDSKの中では早瀬真人史上最高傑作とさせていただきます。m(_ _;)m
まぁ、熟女好みな読者ならば、という注釈がつくでしょうけどねww
元より全体の構成やストーリー展開をまとめ上げるのは定評のある早瀬先生ですから、それに熟女の薫りがプンプンして、しかも当初は鼻にもかけていなかった主人公に責め込まれて堕ちていくんですから素敵過ぎですよ!
早瀬真人先生ご自身による自著解説はコチラから。
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早瀬真人 イースト・プレス悦文庫
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