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ウラノルマ(著:坂辺周一、GAコミックス)

2008/10/16 発売
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★★★★☆ 社会的責任を果たさずに自ら贖罪を求めるヒロイン, 2009/3/11
賛否が大きく分かれることの多い作者とその作品だが、今回も我が身を守るためとはいえ社会的にやってはいけないことをしてしまい、その贖罪として夜の顔を持つに至った女性エリート管理職がヒロインである。

なぜさっさと警察に行かないのか、なぜ贖罪が夜の淫らな有料ご奉仕なのか、贖罪を盾にした快楽の追及なのでは、といったことはひとまず脇に置いて読み進めると、キャリアの習得と出世の権謀術数渦巻く企業の「表」、様々な客との交わりとそれでも罪が償えないと悩み続ける「裏」、それぞれにドラマがあってストーリー展開は悪くない。ヒロインをモノにしようと狙う者もいて、そういうヤツに限ってヒロインの2つの顔を感づいたりする、つまり「狙われるヒロイン」という坂辺作品らしいドキドキ感もある。

本巻の終盤では、ヒロインが放置し、見つかるはずが無いと思っていたモノが発見される事態になっているので、ヒロインの正体を暴く者とその「事件」という2つの大きな動きが次巻ではメインとなるのではなかろうか。
『ウラノルマ1』のレビュー掲載元


2009/4/16 発売
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★★★☆☆ 急に始まった過去編だけの内容で肩透かし, 2009/4/28
前巻の終わりにヒロイン【国枝あおい】を付け狙う小嶋が、あおいの秘密を知ったことでどうなるかと思っていたが、いきなり始まる過去編で大いに肩透かしを喰らう第2巻である。いわゆる「実用性」は、本巻に限りゼロと断言する。

その過去編も、あおいが今の二重生活、つまりウラノルマを課すに至った経緯の半分しか描かれていない。恐ろしく不器用で男を見る目の無いファザコン優等生の、高校~大学~社会人までの恋愛と人付き合いの「勘違い」遍歴である。

きちんと相談できる友人のいない不憫さも滲み出ているが、特定の分野に秀でていながら別の分野、とりわけ俗世間に無知という、典型的な学者肌なあおいが神聖視する父の、母との夜の営みを覗き見ての嫌悪、しかも母を汚らわしいと嫌悪する感覚には少し首を傾げる。

その後は一途な初恋に破れたり、友人に疎まれたり、新しい恋人の軽口を真に受けて全く間違った方法で「初めて」を喪失した(ここで、別人に変装することを思い付く、現在への萌芽が見られる)のに見放されて人間不信に陥ったり、孤立をますます深めたりしながらもそれら「黒歴史」を一掃すべく邁進し、華麗に始まった社会人までが描かれているが、ではなぜあおいがおぞましかった初体験時をトレースするかのようにウラノルマをこなしているのか、こなさなくてはならないのかはまだ分からない。

なので本巻は、今のキャリアウーマン然としたクールでデキる女からは想像もできないあおいの、分からないでもないがあまり共感も覚えない過去を読んで、もどかしさと歯痒さを感じつつ釈然としないまま終わるのである。

正直に言って「これはないだろぉ~」という気持ちにもなる。最後に意外な引きを見せたものの再び待ちぼうけを喰らった感じで「何だかなぁ~」である。過去編長過ぎ。次巻での本編の進展に期待するしかない。
『ウラノルマ2』のレビュー掲載元


2009/12/16 発売
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★★★☆☆ 最後まで愛情が得られなかった悲劇の終焉, 2009/12/23
人には3つの“自分”があるという。自分が知る自分(本心・核心)、周りが知る自分(本音と建前)、そして社会が知る自分(地位・名声・外面)である。そして、大概においてこれら3つは調和が取れておらず、そのギャップに悩んだりコンプレックスを持ったりする。本シリーズのヒロイン国枝あおいは最後までこのギャップに苛まれ続けたように思う。

特に3つ目が突出しているからこそ2つ目まで装うこととなり、遂には1つ目の自分自身さえ喪失していく。1つ目を知れば知るほど解らなくなる。そのギャップの大きさを認識して解らなくなる悪循環。父という偉大な存在が根底にあり、これに第1巻冒頭の“罪”が加わる。生まれ持った美貌はもとより女であることすら嫌悪して掴んだ地位や名声さえも自分自身を最後まで満たすことができない哀しみが描かれている。

こうした強烈な孤独を癒す存在が最後の最後に登場するのだが、これさえもかつての失敗が脳裏に浮かんで躊躇する。どうしていいか分からないと右往左往しながら、それでも次第にその答えが見えてくる。本当の自分のままでいいんだと諭されて気付く。教えてくれる、解ってくれる、ありのままの自分を委ねてもいい人が出てくる。どこかで狂った歯車をリセットしてやり直したいと思い始める。そんな一筋の細い細い光明が見えかけた時、悲劇が訪れる。

ストーリーが元ネタをトレースしている以上、この結末は外せないだろう。痛々しくて哀しい物語の終焉である。「愛され方を知らないままに愛されたかった」と作者は結んでいるが、最後まで自分を中心に据えていたあおいには得られない矛盾なのであろう。

本巻も多くをあおいの過去描写に費やしており、ストーリーも結末に向かってぐんぐん進んでいく流れにあって、いわゆる「実用的」な場面はあまり描かれていないので、そちらを求める諸兄にはおすすめしない。
『ウラノルマ3』のレビュー掲載元


問題作提供の第一人者(?)坂辺周一先生の、2008年から2009年にかけての作品ですが、2014/8/11現在では電子書籍も見当たらず、どうやら絶版の扱いみたいです。全3巻。

各巻のあらすじも探してみましたが見当たりませんでした。



表紙にも記されているように、元ネタは東電OL殺人事件ですよね。


東電OL殺人事件(2000/5)
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1997年3月8日深夜、渋谷区円山町で女性が何者かによって絞殺された。被害者が、昼間は東電のエリートOL、夜は娼婦という2つの顔を持っていたことがわかるとマスコミは取材に奔走した。逮捕されたネパール人は、娼婦としての彼女が最後に性交渉した「客」であった。

本書は、事件の発端から一審判決に至るまでの一部始終を追ったものである。その3年もの間、著者は事件にかかわりのある土地に足繁く通い、さまざまな証言を集めた。事件現場となった円山町は言うにおよばず、加害者とされた人物の冤罪を晴らすべく、遙かネパールにまで取材に行った。立ちはだかる悪路難路を越えて、彼の家族友人から無罪の証言を得ようとする著者の姿には執念を感じてしまう。

ネパール行脚が終わると裁判の模様が延々と書かれている。犯人と決めつけている警察の捜査一つ一つに著者はしつこく反論していく。このくだり、読み手は食傷気味になるかもしれない。だがその執念も、ともすればステレオタイプに括られがちな「エリート女性の心の闇」に一歩でも迫りたいという一念からきたのだろう。



余談ですが、最終的にこの事件(裁判)は冤罪となりました。

東電OL殺人事件 - Wikipedia



新聞記事を模した表紙カバーイラストのデザインもなかなかイケてましたし、何よりタイトルが秀逸でしたけれども、とりわけ第2巻からヒロインの内面をどんどん掘り下げる方向へ展開していったのが、あくまで官能面で期待していた読者の意に添わなかったと言わねばなりません。

だって、その内面がイタいんですもの。(^^;)

坂辺周一
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