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二階堂家の兄嫁-赤い稜線(著:葉月奏太、双葉文庫)

2014/2/13 発売
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「私はどうして、こんな淫らな女になってしまったの……」。山深い里で代々続く名門・二階堂家に嫁ぎながら、夫亡き後も義父に身を任せ、義弟にも体を許す雪乃。一見、貞淑な横顔に隠された衝撃の過去が今、明かされる!旧家を舞台に淫靡なる営みを描き、大好評を博した「二階堂家の兄嫁」シリーズ、ついに完結。


★★★★★ 淫靡な血の宿命が運命的に邂逅した「二階堂家の兄嫁」, 2014/3/17
二階堂家の兄嫁』(以下、第1作)、『襖の陰-二階堂家の兄嫁』(以下、第2作)に続く第3弾にして完結編である。ここにきてようやく、もしくは満を持してシリーズの中心を成すヒロイン【雪乃】の過去に焦点があてられる。「二階堂雪乃」としての現在と旧姓「藤堂雪乃」としての過去である。

<雪乃の嫁ぎ先:二階堂家>
【恭平】二階堂家の長男で次期当主を見込まれつつ亡くなった。雪乃の亡夫。
【亮平】恭平の弟にして第1作の主人公。次期当主を受け継ぐが今は東京で大学生活。
【平治】恭平・亮平兄弟の父にして現当主。第2作の主人公だが今は入院中。

<雪乃の引き取られ先:藤堂家>
【勝郎】後に雪乃の義父となる国会議員にして藤堂家の現当主。
【正人】勝郎の息子であり雪乃の6歳年上となる義兄。モラトリアムなニート。
【静子】雪乃の実母。後に勝郎の後妻となる。
【高岡】勝郎のお抱え運転手。温厚な人柄で雪乃の淡い初恋相手でもある。
【沙織】勝郎の秘書。怜悧な印象の27歳。

当時17歳の雪乃が藤堂家に来たのは2002年と明示されているため、29歳の現在が正に今だったことは意外でもあったが、まぁ、要するに二階堂家も二階堂家なら藤堂家も藤堂家なのである。ここまでくるとさすがに舞台となった山梨県北西部には(罪は無いものの)どのような淫靡な血族が棲息しているのか?などと、どーでもいいことまで思いを馳せてしまうところだが、それはさておき、二階堂家で起きた事柄を巻き戻したかのような藤堂家の少女時代が描かれている。後妻の連れ子として窮屈な思いをしてきた雪乃が藤堂家で見たこと、感じたこと、強いられたこと……これらが今の雪乃を哀しく彩っている。

二階堂家で繰り広げられた淫らな輪廻は、それ以前に藤堂家でも形を変えて繰り広げられたものであり、見方によっては藤堂家を介して雪乃自身が母の静子から受け継いだ忌まわしき素養だったとも言えるのかもしれない。男共の身勝手な欲望と同時に、女にも満たされない心を埋めるための欲求があることを描いてもいるようで何とも悩ましい。

ただ、この被虐的な環境と今の状況が雪乃の心にぽっかり空いた隙間を肉欲的に埋める、埋めなくてはならない構図にもなっており、第1作のレビューで記した『無自覚な小悪魔的本性の発露』が、実は止むに止まれずの結果ながら半ば確信犯的な行動でもあったことや、『あの状態で兄嫁を置いておくのは危険じゃない?』といった危惧が別の形で「やっぱり」となってしまったことも描かれている。官能面での白眉である。終盤では一時的に帰郷した亮平がさっそく台所で雪乃に迫っているが、亮平クンは大学生活を終えたら一刻も早く戻りなさいと言いたくもなる。

最後の最後に描かれた雪乃の振る舞いやしぐさを第1作の表紙カバーイラストに重ねるのは深読みかもしれないが、雪乃に流れる抑えようもない淫靡な血を鎮めるのは心の充足と安息・安寧しかないと思わせるところが現代のリアルな夫婦像にも当てはまるようで、何かと考えさせられる含蓄をも感じた次第である。
『二階堂家の兄嫁-赤い稜線』のレビュー掲載元


まさか、まさかの第3弾にして完結であります。

第2弾の時も驚きながら、読んでみると何でまた二階堂家の一世代前の話なのかな?もしや『Fate/Zero』的なノリ?(笑)とか思いましたけれども、第3弾たる本作の伏線にもなっていましたから、これはこれで意味のあるものでした。

世代を越えて繰り広げられる二階堂家の淫猥な輪廻は、そのままヒロイン雪乃の、これまた世代を越えた淫靡な輪廻でもあった、ということであります。

哀しい宿命にも写りますし、誘蛾灯のごとく男共を惹きつけてしまう雪乃の魔性なのかもしれません……だって、心の寂しさと肉欲の疼きを埋めるためとはいえ、この三部作で雪乃が自ら誘惑を仕掛ける唯一の相手は二階堂家にも藤堂家にも属さない、何でもない人物なんですもの。また、これが地方の旧習に絡めた夜這いを用いて描かれてましてね。いやらしいったらありゃしない!www

この三部作で学んだことは「雪乃みたいな女性を一人にしてはいけない」ですネ!(^^;)

二階堂家の兄嫁』シリーズは、いずれ特集記事として再度投稿したいと思っています。

双葉文庫 葉月奏太
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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

tag : 双葉文庫 葉月奏太

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まいりました

DSKさま

二階堂家シリーズを読了しました。
「壮絶なる耽美の輪廻」という表現がまさに的を射ていると思います。

黒本では綺羅先生が、大河ドラマのような作品を数多く発表されていますが、作品の性質上、横暴なズル賢い男に翻弄されてしまう気高い女の性というのでしょうか、官能場面に焦点が集まってしまいます。

葉月作品では、官能場面に盛り込まれた血脈に逆らえないヒロイン心の機微が、ちらっと見えるところがなんとも言えません。
作品の上梓方法も官能小説の王道から入り、過去や背景の説明、未来への繋がりや、スピンオフ作品の予告まで、まるでスターウォーズを見ているような感じでした。

言い過ぎかもしれませんが、山崎豊子作品と対峙したときの読後感を覚えました。
私が背景のしっかりした官能小説好きであることを再認識した、素晴らしい作品でした。

DSKさんに推薦していただき心から感謝します
節分までは寒さが厳しいと言います。お身体を大切にしてください。

ご堪能いただけたようで(^^)

DSKです。
コメントありがとうございます。

『二階堂家の兄嫁』シリーズ三部作をご堪能いただけたようで何よりです。(^^)
この作品に流れる淫靡にして耽美なテイストが官能琴線に沁みてきますよねぇ。
で、予想以上にスケールが大きくて圧倒される面もあると思います。

それでいてヒロインの雪乃は心の隙間がちっとも埋められなくて、体の疼きも止められなくて、最後は何だか誰でも良いから発散させて!みたいな感情を静かにじんわり出しているんですよね。ホント、いやらしいww

そして、小石3つとくれば『平成夜這い日誌』の「大河内家」が見えてくるという。(笑)

雪乃が植木職人との情事に耽っている時に大河内家の7代目が二階堂家の玄関先を通過しているような気がしてなりませんwww

DSKが「雪乃が大河内家に夜這いを依頼する続編」を希望するのもご理解いただけるのではなかろうかと。(^^)

……万が一、実現したとしてもたぶん短編でしょうけれども。

続編希望です。

DSKさま

DSKさんがご指摘のように心の隙間が埋められないからどうにかしてほしいということは現実世界でもありますよね。でも、理性もあるわけでその狭間で揺れる人間模様を官能とうまく絡めた作品なのでしょうね。

「雪乃が大河内家に夜這いを依頼する続編」は私も大いに期待します。

「仏壇の下に二度と使わないつもりで封印した」ということは、一回以上は使ったことがあるはずなので、葉月先生の中で何かしらストーリーはあるはずですね。
雪乃がある意味切り札をはじめて使うことになったきっかけなどもわかってくると物語に深みが増す気がします。

二階堂家側からではなく、大河内家側から見た雪乃も読んでみたいです。さらに二階堂家と美也子の過去との関係なども絡んでくると、人間関係の整理は大変ですが、壮大な作品ができあがるきがします。

月1ペースで新刊を上梓されているので、なかなか難しいのでしょうがこのまま埋もれさせてしまうのはもったいないです。

もはや信濃官能オペラ(笑)

DSKです。
コメントありがとうございます。

話が膨らんで、もはや信濃官能オペラ(笑)の様相を呈して参りましたが、大河内家側から見た雪乃という視点も面白そうですね。

続編で二階堂家の雪乃と大河内家の7代目が何かのきっかけでお互いを知るところとなり、双方の視点で話が進めば1作品の中で同時に描けるとか。

で、先代(6代目)の堅物ながら飄々とした父が、二階堂家の内情を知っているとかの設定で「あの女だけは止めとけ」みたいに助言するものの『鉄の掟』もあるし、何より雪乃の魅力に心を奪われ始めて義母との間で揺れる。けれども二階堂家には盆暮れに帰省してくる若い後継ぎがいることにも気づいて……みたいな。

勝手な妄想ですが、面白い人間模様になってきましたねぇ。(^^)
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