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溺れてしまう(著:菅野温子、双葉文庫)

2008/4/10 発売

溺れてしまう

著:菅野温子双葉文庫


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証券会社でトップセールス・レディとしてキャリアを積んできた乾希美子は、自らの蒔いた種から、同じ社に勤める三枝亮一に脅され身体を弄ばれることになってしまう。三枝とのアブノーマルな関係を嫌悪しつつ、快楽に目覚めた希美子の身体の向かう先には何が? 期待の女流が描く長編柔肌エロス。(引用元:Amazon)


★★★★★ 脅されて言いなりの被虐美と蠢き出す肉欲,2018/6/6
どちらかと言えば女性の立場から性への渇望をソフトに描く作者だと思っていたが、本作に関しては嫌悪する男に弱みを握られ、言いなりにならざるを得なくなるという凌辱テイストがあった。そして、性に疎かったヒロインがめくるめく快感を体験させられたことで、その愉悦に抗えなくなっていく淫靡さが描かれていた。その意味では目覚めてしまった性を渇望する女性かもしれず、凌辱というハードな変化球ながら作者の掲げるテーマは同じなのかもしれない。

ヒロインは証券会社に勤める29歳の敏腕OL【希美子】ただ1人。美貌は社内ナンバーワンと称され、成績もトップのデキる女。それだけに高級志向であり、ブランド品を買い漁るのが高じて実は高額の横領をしてしまっている。これを同僚の〈三枝〉という男に知られてしまい、その穴埋めを条件に肉体を求められるのが序盤から中盤の流れである。

自宅や会議室、あるいはホテルといった様々なシチュエーションでさんざんに弄ばれる希美子。2ヶ月から3ヶ月と翻弄される日々が続いて三枝への嫌悪は強まるばかり。果ては緊縛に玩具責めといった形で女を弄ぶことに執着する三枝への憐憫さえ抱く希美子だが、肉体へ植えつけられた興奮と快感には抗えなくなり、その未知の体験に驚く日々だったりもする。婚約者に裏切られた過去から仕事に邁進して登り詰めたトップの地位も揺らぐほどに生じた肉欲への渇望に驚き、その変化に戸惑う希美子である。心は抵抗するも体は悦んでしまう被虐の官能は興奮度が非常に高く、どことなく2005年に発売された『熟母輪姦』(著:夏島彩、フランス書院文庫)に似た感じもした。

囚われの身が続きながらも遂には三枝の弱点を見つけ、逆転を迎える第4章の終わりから第5章を経て最終章たる第6書の始まりまでは解放を喜びながらも今度は自覚してしまった肉欲に囚われ、自慰を繰り返してしまう希美子。官能的には少々中弛みの感が拭えない。将来の伴侶としてセレブな〈山城〉なる歯科医の跡継ぎと出会って順風満帆なのだが、至極真っ当な営みに終始する山城では肉欲だけが満たされない。これを満たすのが結婚直前に出会った〈柴野〉なる40代半ばの人物である。

独身最後のアバンチュールと決め込んだ希美子が柴野の手練手管に陥落する。当初とは毛色の異なる官能だが興奮度は高い。ここで結婚とセックスと恋愛は同じが理想なれど現実は異なることもあると悟るのが希美子の強欲なところであり、希美子を通して作者が描こうとした女性の業の深さであろう。ハイソな結婚生活と己に忍んだ旺盛な肉欲の両方を別々から得ようとの考えに至る結末には「あな恐ろしや」とさえ思えてくる女性の底意地を見た気がした。凌辱による序盤から中盤の抑圧された官能美と自ら求めていく終盤の解放された官能美を併せ持つ本作は隠れた名作ではないだろうか。
『溺れてしまう』のレビュー掲載元


未確定情報ですが、菅野温子先生は「黒本」の 夏島彩先生の変名 という噂があるようです。

少なくとも本作のテイストからすると、なるほどと言いたくなります。



で、この前提に沿ってちょっと調べてみますと、どうやら逆みたいでして、菅野温子名義での活動は1993年から見られます。「黒本」で夏島彩名義が始まるのは2001年からです。この頃からクロスオーバーするように菅野温子名義は(ゼロではないものの)しばらく影を潜めまして、夏島彩名義は2006年の『危険な家庭訪問-担任教師と三人の母』が最後になりますが、入れ替わるように菅野温子名義の単独長編『蜜欲の情人』(桃園文庫)が2005年に刊行されます。

そして、2007年『熱帯魚のように』から2010年『蜜園へようこそ』までは双葉文庫で単独長編を上梓され、2013年までは他のレーベルでアンソロジーにも参加されて現在に至る……つまり、作品が見当たらなくなります。



要するに、菅野温子 → 夏島彩 → 菅野温子 という経緯で活動されていたことになります。

20年くらいの活動があったことになりますね。



DSKとしては、どちらの名義でもいいですから活動を継続してほしいですね。これに尽きます。

とりわけ弱みを握られて言いなりにさせられる被虐の凌辱テイストに光るものを感じます。



◆関連作品
2005/02/23 発売
熟母輪姦(著:夏島彩、フランス書院文庫)

Kindle版はコチラから。
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ひかりTVブックはコチラ。〈電子書籍〉
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「新吾のママって、犯される姿もすごく綺麗だね」
秘芯まで次々と突きこまれる、少年たちの逞しい肉茎。
蒼い欲望に燃えさかる、荒々しすぎる抽送なのに、
貞淑な女陰は、どうして甘く馴染みはじめてしまうのか!
37歳の肉体は、どうして男たちを引き寄せてしまうのか!
角田沙由里――熟香が息子の同級生を狂わせる最高の蜜母。
(引用元:Amazon)

▼当ブログの紹介記事
http://dsk18.blog.fc2.com/blog-entry-27.html



陳腐な表現で好きではないですが、何度でも言います……この作品は 夏島彩史上最高傑作 です!

そして、本作はこれに匹敵します!




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tag : 双葉文庫 菅野温子

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