ぼくの管理人さん-さくら荘満開恋歌(著:葉月奏太、実業之日本社文庫)

ぼくの管理人さん-さくら荘満開恋歌
著:葉月奏太、実業之日本社文庫
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ほっこり癒され、たっぷり感じるハートウォーミング官能の傑作!
念願の東京の大学へ進学を果たした窪塚健司。彼が住まいとして選んだのは、築六十年、風呂なし共同便所の格安物件“さくら荘"だった。入居初日、健司は管理人の桜子に健司は一目ぼれしてしまう。桜子はやわらかな雰囲気の美しい女性だった。そして都会的な美女OL・美咲、ウブなメガネっ子・香澄、そして美大を目指す浪人生・吾郎といった住人とともに、健司の新しい生活が始まった。入居早々、美咲に筆おろしをしてもらい、処女であった香澄の手ほどきをしつつも桜子への思いを募らせていく健司。しかし桜子には秘密がありそうで……。さらに平和な“さくら荘"で驚愕の事件が!?
人々の心の交流に癒される――いまもっとも注目の作家が放つハートウォーミング官能の傑作!(引用元:Amazon)
★★★★☆ 安定したハートウォーミングな愛情物語だがスパイスの利いた官能場面も, 2016/12/18
最近の葉月作品ではすっかりお馴染みとなったハートウォーミングにほっこりできる愛情物語。若くて美しい管理人さんを始めとするアパートの住人達が織り成すドラマに恥じらいの官能が練り込まれた作品と言える。
2浪の末にようやく都会へ出ることができた主人公にはちょっとした心の傷があるのだが、都会暮らしだからといって全てが華やかという訳でもなく、自分のように、いや自分以上に頑張っている人がいることを知るといった成長のエッセンスが散りばめられている。
メインの管理人さんと結ばれるのが最後なのはストーリー展開上致し方ないとして、それまでにアパートの住人2人と対照的な情を交えている。男勝りで気風が良くて世話好きな年上のOLとはひょんなことからウフフな筆下しとなり、同年齢ながら2学年上の控えめ女子大生からは純潔を捧げられる。ただ、この破瓜は好きな男が別にいるのだけれど今のままでは不都合かも?という、男からすれば何と勿体ないことかと叫んでしまいそうな理由だったりする。
こうしたアパートの住人達との刹那の情交に加えて縁のある外部の人物も程良く絡んでくるのが物語の幅を広げており、不意の出来事に良い思いをすればショックも受ける主人公だが、その中でも思わず覗き見てしまった管理人室では「ぐぬぬ」な寝取られ感が炸裂している。本作にあってはビターなスパイスを利かせた場面と言える。
思いもよらぬ迫りに困惑と抵抗を続けながらも次第に昂ってしまい、遂には求めさせられてしまう管理人さんもやはり1人の女だったことを示した痴態は思いのほか突っ込んだ描写であり、後になればその理由が判明するとはいえ一時は読み手も敗北感を味わうかもしれない。
それでも最終的には落ち着くところへ落ち着き、アパートには清々しい風が吹き込む形で幕が引かれるので、トータルでのテイストや読後感は心地良いものと言えよう。
◆『ぼくの管理人さん-さくら荘満開恋歌』のレビュー掲載元
メインの管理人さんと主人公がハッピーになるのはもちろんですが、本作の良さはサブヒロイン達にも爽やかなハッピーが訪れることですね。
主人公以外にも住人同士の恋はあるでしょうし、ろくでもない男ばかりが現れると嘆くOLにもちゃんとろくでもない男が表れますw
お約束ですよねww
葉月先生がブログに投稿された自著解説です。
『ぼくの管理人 さくら荘満開恋歌』
ただ、それだけでは薄味になるだろうということで中盤に盛り込まれたのが管理人さんの貞操のピンチな訳ですが、こういった場合に読者がまず思うのは どこまで踏み込んでいるか ではないかと。
ドキドキの演出がどこまでなのか、ちょっとお触りされている程度で済ますのか、チューはされちゃうのか、胸はイジられるのか、脱がされるのか、愛撫されるのか、合体直前までいくのか……などなど、その段階は様々でしょう。
大体においては主人公が声をかけたり音を立てることで危機は回避されるのですが、それもなくただ覗き見て地団駄を踏んでいるだけで最後までいってしまえば寝取られとなります。
で、本作ですが……最後までいってしまいます。
管理人さんもイッてしまいます。
最後はしっかり感じて、昂って、自ら求めてしまうほどに乱れてイッってしまいます。
ならば全然爽やかじゃないではないか となりますが、そうなっても致し方ない設定があるために最終段階まで踏み込んだのでしょう。これがあるからこそ結末が爽やかハッピーになるとも言えます。
濁りがないと澄み切ることもない、ということでしょうか。
これによって官能成分はぐっと上がってますしね。
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