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海女と女教師と奥さんと(著:葉月奏太、双葉文庫)

2016/11/10 発売

海女と女教師と奥さんと

著:葉月奏太双葉文庫


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冴えない数学教師、内村日出夫の密かな楽しみは、愛してやまない新日宝の浪漫ポルノを映画館で鑑賞すること。ある日、切符もぎりの老婆から新日宝45周年記念のキーホルダーを贈られたのを機に、往年の名作さながらの桃色体験に次々と遭遇。蓼科のセレブ夫人、欲求不満の団地妻、艶めかしい海女、そして美しき同僚の女教師・希美が恍惚の世界へと日出夫を誘う。日刊ゲンダイの大人気連載、ついに単行本化!(引用元:Amazon)


★★★★☆ ポルノ映画へのリスペクトと中年の青春, 2016/11/29
45歳の冴えない数学教師(主人公)が淡い想いを密かに抱くのは後輩の女教師。清楚で可憐、天使のような24歳の古文教師である。タイトルにある海女さんや奥さんが一度きりの逢瀬となるサブヒロインだが、これらにロマンポルノやピンク映画へのリスペクトを盛り込んだことが本作の大きな特徴である。本作と同じ双葉文庫で『ピンクのカーテン』(日活との共著)をノベライズした作者だが、それをもリメイク(?)したかと思しき「桃色シーツ」なる作中映画まで出てくるのはご愛敬の極みであろう。

つまり、唯一の趣味であるポルノ映画で観た数々の場面を現実でもトレースする僥倖を繰り返す主人公が、それさえも夢のような出来事なのに加えて最後は本当の夢のまた夢だった幸せも叶えてしまうハートウォーミングなラヴストーリーである。余談ながら『女教師』を「おんなきょうし」ではなく「じょきょうし」と読ませるのは双葉文庫のルールなのだろうか。

老朽化も著しい場末の映画館で上映されるポルノ映画をこよなく愛する主人公に投影されるのは不惑も越えた男の枯れた姿である。仕事に打ち込むでもなく、趣味においてもトレンドよりマイペースで好きなことに没頭する平々凡々な暮らしは決して前向きとは言えないし、満たされてもいないのだが、それはそれで落ち着くところに落ち着いたポジションとして描かれる。普段はこれといった欲もないし高望みもしないのだが、映画から飛び出してきたようなヒロイン達に向ける眼差しは優しく、女教師には年の差もあって不釣り合いと自覚しながら想いだけは募るばかり。

そんな無欲な男だからこそ本来なら秘密の趣味が晒される失態を演じても状況が好転し、「ご褒美」とばかりに幸せが舞い込んでくる結末へと至る。多少の都合の良さを感じるストーリー展開ではあるが、女教師が最初から主人公に親近感を抱いているのも「なるほど」といった理由がきちんとある。彼女にとって主人公の趣味は共有できるものなのである。

本作を通じて見えてくるのは、日の当たらない官能分野にもちゃんと息吹きがあり、それを好む人がいて、救われる人だっているということである。後ろ指をさされかねない分野ではあるが、もっと胸を張っても良いのではないかとの願いにも似たメッセージを大袈裟ながら受け取ったように感じた。

基本的にソフトな官能描写が大半だが、それでも生徒の母(義母)と関係に至ったり、軽い緊縛もあったりと捻りは利いていて、何より主人公が観ている映画のシーンも描写されているので思いのほか多くの官能場面がある。
『海女と女教師と奥さんと』のレビュー掲載元


日活ロマンポルノ45周年企画として双葉文庫では過去の名作映画がノベライズされていますが、その企画からのスピンオフみたいな作品と言っても良さそうな本作。

ピンク映画、ポルノ映画への愛に満ちています。



ピンク映画 というジャンルが出来つつあった中に日活が ロマンポルノ と銘打って参入したのが「日活ロマンポルノ」(にっかつロマンポルノ)の始まりだったのだとか。



葉月先生のブログにある自著解説記事はコチラ。
『海女と女教師と人妻と』





復活を賭けた日活が大胆に舵を切っての参入だった訳ですが、当時は表舞台に君臨するビッグネームですから、それはもぅ大きな地殻変動が業界にはあったものと推測します。

ピンク映画陣営からすれば複雑な思いもあったことでしょうけれども、結果としてジャンル自体に注目が集まったでしょうから悪いことばかりでもなかったとも推測するところであります。

最終的にはAVにもろとも攫われてしまいますが……それは、まぁ、公衆電話が携帯電話(スマホ)に取って代わったのと同じく致し方ないと言うしかありませんよね。



しかし、あくまでも映画として描いたピンク映画・ポルノ映画とAVとでは根本的に何かが違うと思うんですよね。



双葉文庫のノベライズ作品
2016/4/13 発売
第1弾:ピンクのカーテン(著:日活×葉月奏太

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にっかつロマンポルノ45周年を記念し、美保純主演の名作『ピンクのカーテン』を官能の注目株・葉月奏太の筆で完全小説化!一世を風靡した欲情シーンはもちろん、活字ならではのねっとりした描写で兄妹のギリギリの禁断愛に迫る衝撃書き下ろし。



2016/10/13 発売
第2弾:妻たちの性体験-夫の眼の前で、今…(著:日活×早瀬真人)

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「あんたの奥さんを俺たちに抱かせな」。愛人殺しの罠にはめられ、謎の覆面男二人組に脅迫された夫は、やむなく妻の沙織を差し出す。だが、事件には裏があった――美しく貞淑な人妻が、夫の眼の前で犯され嬲られ堕ちる!斬新なストーリーと主演の風祭ゆきの妖艶な魅力で話題をさらった80年公開の衝撃作を、日活ロマンポルノ生誕45周年記念して人気官能作家・早瀬真人が完全ノベライズ。





第3弾の予定は……ちょっとないかな、残念。

しかし、表紙を飾っている女優さんは御二方とも後には一般作品に出演されるキャリアをお持ちですが、今回の表紙カバーイラスト化に際してはご承知なのでしょうかね。それとも肖像権は日活にあるのでしょうか?



いや、中には黒歴史にしたい女優さんも少なくないと勝手に想像するところですが、こうやって過去を払拭しないでおられるのはさすがと思いましてね。

もっとも、この御二方も今や日本映画史に残る女優さんと言えますものね。(^^)





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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

tag : 双葉文庫 葉月奏太

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No title

にっかつが出来る前に東映がポルノが出来ましたね。
にっかつも最終的にAVを撮っていたのは因果ですね。
劇場作品(ロマンX)もビデオ(にっかつビデオ)も。
まぁ元からラブホ向けのビデオを撮ってたからおかしくはないんだけど。
あとまだ読んではないんですが、何でハッテン場とかの描写がないんだろう?
ピンク映画黎明期からあったらしいのに。
ファンタジーだから、そういうのはみたくはないのかな?
あと「教師」って銘打ってるのは、84年以前のポルノって感じでいいですね!

ニーズがないってことでしょうねぇ。

DSKです。
コメントありがとうございます。

>何でハッテン場とかの描写がないんだろう?

少なくとも官能小説の読者ニーズではないのでしょうねぇ。(^^;)
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