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未亡人は夜に泣く(著:葉月奏太、イースト・プレス悦文庫)

2016/1/10 発売

未亡人は夜に泣く

著:葉月奏太イースト・プレス悦文庫


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47歳の池澤健吾は、2年前の事故で妻・佳香を亡くした。当時、佳香は健吾に噓をついての不倫旅行中で、その不倫相手も一緒に逝ったので責める事も出来ない。仕事ばかりにかまけていた自分にも原因があると思うと複雑な心境だった。そんな日々の中で、職場のマドンナ・あずさからアプローチされ、半ばヤケになって身体の関係を持つも、本気になれない。もう二度と恋愛ごととは縁がないのかと腐っていたある日、運命の女と出会ってしまう。その女は佳香の不倫相手の妻で……。(引用元:Amazon)


★★★★★ 残された2人にひっそり咲いた愛の花, 2016/1/24
イースト・プレス悦文庫の前作『人妻は夜に咲く』のテイストを踏襲しながら妙味のあるアイデアが加味された作品と言える。妻に不倫された主人公と夫に不倫されたヒロイン。それぞれの不倫相手が共通したことでできた縁。つまり、残された者同士の悲哀である。しかも、この不倫カップルが逢瀬の際に不慮の事故で同時に亡くなったことで相手を責めるに責められず、ヒロインは不意に未亡人となり、むしろ自分に非があったのでは?と悩んだり、疎外感に苛まれたりする。お互いにである。こんな行き場のない2人が、その唯一の共通性から憐憫と共感と同情を経て唯一の存在になっていく、そんな物語である。

妻を失ってもうすぐ2年になる主人公は47歳のサラリーマン。仕事一筋でのし上がったものの、今は職場で腫れ物のように扱われ、その内心では「妻を寝取られた男」と見下されているのでは?との疑心暗鬼から塞ぎ込んだ毎日を送っている。そんな主人公を気にかける職場の後輩OL【あずさ】29歳が対抗ヒロインである。男好きのする愛くるしさで誰にでも愛想を振りまくために同性からは嫌われ、あらぬ噂まで立てられるタイプだが内面は健気で一途。そのギャップが魅力的なヒロインと言える。しおらしくも果敢にアタックするも主人公の想いは別にあることを知る不憫な役回りだが、彼女にもちゃんと次の未来を与えたことに作者の優しさと小説としての上手さを感じることができる。主に前半で主人公を刹那に癒し、夜の職場で警備員の目を盗みながら交わる第三章はあずさのクライマックスとして淫猥度の高い官能描写が見られる。

主人公からすれば複雑な立場にあるのがメインヒロインの【芙美子】36歳。妻を寝取った男の妻である。しかし、同様に夫を奪った女の夫でもある主人公に芙実子は過剰なまでの低頭を貫く。そこにあるのは妻としての苦悩である。そんな芙実子に夫として自らの至らなさを顧みる主人公が同じ被害者として、そして唯一の理解者として切なく惹かれていく。今もなお夫への操を残す芙実子の困惑を加味しながらの情交は耽美であり、双方の仏前で交わるというシチュエーションにも効果的な演出が見られる。

極端なほど清楚で貞淑で控えめな芙実子はあずさとは好対照となる構図だが、主人公の奪い合いでは意外な芯の強さを見せる別の顔があって魅力が増している。こうした展開においても演出の上手さが光り、小説として格段の出来であることが分かる。

最後は2人の純愛が甘く描かれていく中で、次第に打ち解けていく芙実子の甘えた素振りやおねだりが官能的にも大きく作用して素敵ないやらさしさに繋がっているのは見事な幕の引き方。これを単に傷を舐め合うと捉えるのは容易だが、そうではなく、傷ついた過去から明るい未来への希望をお互いに支え合って築いていく官能ファンタジーとして纏めた手腕に唸ってしまうのである。
『未亡人は夜に泣く』のレビュー掲載元


葉月奏太×悦文庫で2作目ですけど、なかなか味わい深い作品を出してくるコンビですよこれw

2人ヒロインの対比が実にイイ感じ。

そして、その2人ともがホントに「いい女」なんです。



葉月先生のブログにはご自身による自著解説の投稿記事があります。
『未亡人は夜に泣く』





本作では主人公を巡って多少の衝突らしきものもあるんですけど引き際が良いと言いますか、展開としての纏め方が良いんですよね~。

小説としての上手さも感じましたデス、はい。



◆悦文庫の前作
人妻は夜に咲く - 2015年5月
http://dsk18.blog.fc2.com/blog-entry-920.html


この前作では2人のヒロインが直接会うことはありませんでした。

それぞれが主人公との逢瀬を通じてそれぞれの道を知る良さがありましたね。



◆新作
2016/1/20 発売

夜這い村(竹書房文庫)


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◎真夜中の侵入者…淫らな村に閉じ込められて!
◎今旬の作家が放つ超刺激的な伝奇官能ロマン!
旅行会社に勤める吉井圭一は、憧れの女上司・佐々木綾香と北陸に出張する。二人は車で山奥の温泉地を目指すが、大雨で道が崩壊し、途中の小さな村に閉じ込められてしまう。復旧に時間がかかるため、二人は村の地主の家に宿泊することに。その夜、圭一は綾香の部屋から洩れてくる声を聞き、つい覗き見してしまうが、なんと村の男に夜這いを掛けられていた。最初は抗っていた綾香だが、男の巧みな性戯によって快楽に溺れていく。憧れの女性を奪われショックを受ける圭一だったが、彼にも淫惑の誘いが迫っていた…!ふしだらな山村に囚われた男女、鮮烈秘境エロス!



同月に(10日遅れで)発売された作品ですが、こちらは打って変わって淫靡な世界が描かれています。

個人的にはデビュー作3作目といった初期の頃にちょっと近いような、そんな「匂い」を感じましたねw





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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

tag : 葉月奏太 イースト・プレス悦文庫

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苦しみを昇華させるための官能

DSK さま

芸能界では不倫の話題でにぎわっていますね。

いろいろ週刊誌やネットがかき立てますが、まだ、それぞれが生きている場合では、相手に慰謝料を求めたり、相手を不利な立場におとしめることもできて、少しは自己満足が得られるかもしれません。

しかし、この作品のような状況におかれてしまうと感情をどこにもっていっていいのやらわからないということが起きると思いますし、表に出ないだけで現実にこういう事件があっていると想像できます。
残されたモノが惹かれあうと言うことはないかもしれませんが、残された時間、何とも言えない悲しみを抱えたまま生きることは苦しいとおもいます。

その苦しみを官能で昇華してみようという作品なのですが、葉月作品の中で今のところ最もお気に入りの作品になりました。

官能小説として官能シーンの描き方はもちろんですが、普通の小説としても物語の展開や出演者の心の動きを細かく描写できていると思います。

出演者を主人公とヒロイン二人に絞ったことが功を奏している気がします。
主人公の気持ちの描写に多くのページが割かれていますが、あとに来る官能の盛り上がりには必要不可欠です。また、主人公と芙実子の交通事故に対する罪悪感とやるせなさ、周囲からの冷たい視線からくる悲しみは、あずさの慈悲深く、若さゆえに前向きに生きていきたいという気持ちによってより深められていました。

一見すると主人公が悲しみを忘れるために、やけっぱちに官能シーンに突入しているように見えますが、それはきっかけに過ぎなくて、二人が身体を交える中で悲しみが少しずつ癒され、心の奥に封じ込めていた、誰にも言えない感情を吐露するにいたるという読後感をよくするしかけが用意されていたことに感服しました。

とくに、ヒロイン二人ともがそれぞれ主人公のモノに奉仕するシーンで
あずさは「しゃぶってもいいですか・・・」
芙実子は「では、失礼いたします」
と言葉をかけるのですが、この何気ない一言に二人の主人公に対する慈悲深さがわらわれていると思いました。

あずさに対しても若くて有望な若者との未来を、芙実子に対しても主人公と悲しみの過去を背負いつつ新しい一歩を踏みだす未来を用意したことで、読後感もすっきりしていて年の初めからいい作品に出会えたと思いました。

官能小説は不倫だらけ(笑)

DSKです。
コメントありがとうございます。

思えば人妻をヒロインにするとほぼセットで内容は不倫となるのが官能小説の常ですが(笑)……ついでに言えば少年主人公の両親は大体において他界していますが(笑)……不倫展開になれば同時に「不倫される側」がある訳で、この不倫する側とされる側の両方に設定としてスポットをあてたという意味ではイイところを突いた作品だったと思いました。

特に不倫されたという怒りが死亡によって悲しみとない交ぜになる複雑さを後ろ向きな心持ちという背景にして、そこから同じ感情に苛まれる相手との関わりによって前向きになっていくという流れがきちんとできていたように思います。

さらには芙実子を「?」が浮かぶくらいの平身低頭キャラにしたことで奥ゆかしさと淑やかさにしっかり繋がっていました。ここ最近の葉月作品は登場人物の性格や人柄などが作中の動きや態度などにもきちんと浸透しているので読んでいてスムーズと言いますか、しっくりくる心地良さがあります。

2016年のスタートを切るには最適の1冊でした。(^^)
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