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昼下がりの人妻喫茶(著:葉月奏太、実業之日本社文庫)

2015/12/3 発売

昼下がりの人妻喫茶

著:葉月奏太実業之日本社文庫


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寒さ厳しい北の大地。ぽつんと存在する喫茶店で珈琲の香りに包まれながら美しき女店主や常連客たちに癒される――いまもっとも注目を集める作家が描く、ほっこり癒し系官能の傑作!

東京の乳業メーカーに勤務していたが、とある事情で寒さ厳しい北海道の田舎町にとばされてしまった青年・勇太。事実上の左遷を受け、失意のまま慣れない雪道を歩き転んでしまった彼を助けてくれたのは、喫茶店の美しき女性店主だった。彼女が切り盛りする店は、古めかしくも温かみがあり、そこに集まる常連客たちの人柄も魅力的だ。いつしか、優しく美しい店主・留華に熱い恋心を抱くようになった勇太だったが、常連客であるクールビューティーな人妻や、傷ついて喫茶店に辿り着いた元ソープ嬢と関係を持つ。しだいに留華との距離も縮めていき、彼女が抱える哀しい秘密を知ることとなる。あらゆる選択を迫られたとき、勇太が選ぶ道とは――?

人情味あふれる田舎町を舞台に描かれる胸と体が熱くなる、ほっこり癒し系官能。


★★★★★ 舞台を北の大地に移したハートウォーミングストーリー, 2015/12/15
これまで下町の商店街を舞台にした心温まるストーリーを幾つか紡ぎ、勝手ながら「葉月下町人情路線」と名付けていた作風を凍てつく北の大地に移して描かれた1冊と言える。その大地が春の訪れとともに雪解けを迎えるがごとく、素敵な明るい未来を照らす素晴らしい物語である。タイトルには「人妻」とあるが、確かにメインヒロインは人妻の【留華】34歳である。しかし、ちょっと訳ありな婚姻があらすじに記された「秘密」であり、これまた訳ありで左遷同様の転勤を命ぜられた主人公(27歳)との2人が乗り越えるべき「凍てつく大地」といった見方もできるであろう。

交通量も乏しく、人影もまばらな国道沿いで留華が営む喫茶店という、常連客が集まる楽しげな空間を舞台としている点では従前の下町商店街とほぼ同様のシチュエーション。様々な人物が立ち寄る中に一見勝気でクールな人妻【由里子】36歳もいれば、当てもなく彷徨っていた【果穂】24歳といったサブヒロインが配される。留華に一目惚れした主人公としては彼女達からのお誘いが悩ましくもあり、かと言って止められない情動でもあるのだが、サブヒロイン達にもそれぞれ悩みがあり、狭い町では打ち明けられない事情もあるといった背景がきちんと盛り込まれている。オホーツク海に面した最北に近い地域の冬の様子も含め、ともすれば閉鎖的になりがちな生活感にあって「余所者」としての主人公が上手く活用された官能描写になっている。

そして、孤独な由里子や行き場のない果穂の境遇はかつての主人公でもある。急な人事に落胆し、見失いそうになっていた自分を留華が救ってくれたように、今度は自分が彼女達を救うのだという互助の精神が発露されており、これはそのまま厳しい環境で生きる人達の、そして流れ者が辿り着くと言われる町の共通認識でもあることが暗に示されている。

その意味では留華も流れ者である。自分を悪い女、汚れた女と称する留華。対して自分を卑怯な男とする主人公。清いだけでは生きていけない情念を盛り込みつつ、清濁併せ飲みながらもそれを自覚し、向き合うことの清廉さが描かれている。故に本作は官能小説らしくないとさえ言えるピュアな良心に満ちているのである。

序盤から主人公とは親しげな距離感で振る舞う留華を挿みつつ冒頭はやや唐突な印象もあった官能面だが、実は大胆にも2人きりの店内が多い。鍵も閉めずに大丈夫か?といったところだが、静かに想いを交わし合う情交が大勢を占める中では淫靡さがあり、それまで女神か聖母のように留華を見てきた主人公の想いが成就する瞬間の興奮を伝える良さがあった。普段の清楚な趣が昂ぶっては淫らに豹変する留華のギャップもこれを後押しする。

皆がみな過去を整理し、決別し、心の安寧を得て新たに歩んでいく。留華と主人公は共に歩んでいく。それを常連客が温かく見守っている。現実的な世界を描いて現実に起こったら素敵なメッセージが込められた作品だった。
『昼下がりの人妻喫茶』のレビュー掲載元


これまで名付けていた「葉月下町人情路線」は、今後葉月人情路線とシンプルに改称ですかねw

それとも葉月下町人情路線葉月北国人情路線の2本立て?



そうなっても全然良いくらい素敵な作品でした~!

下町の商店街とはまた違った人情を感じましたから、今後も北国を舞台にしたほっこり路線の作品をどうぞよろしくお願い致します~!(^^)



葉月先生のブログに投稿されている自著解説はコチラ。
『昼下がりの人妻喫茶』
「真・絶対領域と名付けたい!」に賛同致しますw





年明けの2016年も葉月作品は相変わらずハイペースな順調振りのようでして。

◆新作情報

未亡人は夜に泣く(イースト・プレス悦文庫) 2015/1/10 発売
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47歳の池澤健吾は、2年前の事故で妻・佳香を亡くした。当時、佳香は健吾に噓をついての不倫旅行中で、その不倫相手も一緒に逝ったので責める事も出来ない。仕事ばかりにかまけていた自分にも原因があると思うと複雑な心境だった。そんな日々の中で、職場のマドンナ・あずさからアプローチされ、半ばヤケになって身体の関係を持つも、本気になれない。もう二度と恋愛ごととは縁がないのかと腐っていたある日、運命の女と出会ってしまう。その女は佳香の不倫相手の妻で……。


夜這い村(竹書房文庫) 2016/1/20 発売
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『未亡人は夜に泣く』は癒しっぽさもありそうな気がしますけど、『夜這い村』には淫靡な感じがしてきますよね。夜這いする寝取りなのか、夜這いされる寝取られなのか……ってねww





※あらすじはAmazonより引用。
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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

tag : 実業之日本社文庫 葉月奏太

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ほっこりする作品はいいです

DSK さま

ご指摘の通りまさしくハートウォーミングな物語です。

北海道のオホーツク海沿岸という極寒の気象条件で生きる人間たちは、心が温かいという、南に住んでいる私にでもわかりやすい舞台設定がよかったです。

舞台の町も架空の名前ですが、実際には乳業の工場がある紋別を下地に話を組み立てているようで細かいところまで配慮の行き届いた作品だなという印象です。

あまり詳しく描かれていませんが、登場人物も心に重いモノを抱えて過ごしてきた人たちが喫茶店に集まり身を寄せ合って、助け合いながら暮らしているという姿が思い浮かんできました。
官能場面だけでなく、話の進め方に作者が力を入れたのかなと思いました。

人情路線の官能作品はほっこりするのでたまにはいいですね。

人情路線は確立の域に達しつつ新たな手応えも?

DSKです。
コメントありがとうございます。

> 北海道のオホーツク海沿岸

この北国設定は良かったですね。
下町人情路線よりも深みのある人間味が滲み出るようでした。

> 官能場面だけでなく、話の進め方に作者が力を入れたのかなと思いました。

ラブロマンでない竹書房文庫から出ている理由の1つだと思います。

> 人情路線の官能作品はほっこりするのでたまにはいいですね。

読み終えたばかりの新作『未亡人は夜に泣く』がまた人情路線とはちょっと異なるアプローチでイイ世界観を生み出してまして、悦文庫の前作『人妻は夜に咲く』と同様の、これはこれで新たな、葉月作品でしか読めない、素敵な作風が確立されつつあるように感じます。

飛躍の2015年だったように感じた葉月先生ですが、もしかしたら2016年こそが本当に飛躍の年になるかもしれないです。
さらなる飛躍ですね。

人情と官能の絡み合い

DSK さま

私も葉月先生は、ドンドン作品を精力的に上梓しているので、期待している作家さんの一人です。

私も、昨日届いた新作『未亡人は夜に泣く』を読み終えました。
(感想コメントは当作品のときに)
ただヤリまくりもいいですが、人情と官能が絶妙に絡み合っていると読んでいる方も面白いですね。
次はどんな設定が来るのだろうかとワクワクしてしまいます。

官能と情緒

DSKです。
コメントありがとうございます。

悦文庫のテイストを踏まえたうえでのドラマと官能が融合した新作でしたね。しかも、今月発売の2冊目新刊『夜這い村』(竹書房文庫)ではまた異なる退廃的なテイストのようで、元より数ある引き出しをさらに広げて自在に出し入れされているような、そんな多彩さを感じます……デビュー当時から多彩でしたけどねw
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